プノンペン

カンボジアの首都プノンペン。

「東洋のパリ」と謳われるフランス植民地時代の美しい街並みが残っている街です。

プノンペン基本情報


都市計画に基づいてつくられたプノンペンの街は区画がきちんと分けられています。

1975年のポルポト政権時代、人々は地方への移住を強制されたことで街は無人化し、立て続けに起こった内線などで次第に廃墟と化していきました。

しかし、1993年に新生カンボジアが誕生すると、シアヌーク殿下が王位についてプノンペンに帰還。以降、街は再建に向かい、今でも政治経済の中心として発展し続けています。

観光にはタクシーの他、トゥクトゥクやバイク、さらには人力タイプの「シクロ」が利用できます。

シクロ

出典:https://4travel.jp/

プノンペンの観光スポット


プノンペンには沢山の観光スポットが、私が行ったことのある場所だけ触れて行きたいと思います。

私は行った場所は、ポルポト政権時代に行われていた大量虐殺の跡が生々しく残っている場所でした。

ご存知の方も多いかとは思いますが、ポルポトが政権を握っていた1975年から約4年間、カンボジアでは無実の罪を着せられた国民が大勢虐殺されました。

「原始共産主義社会」という、原始時代のような世界を目指していたポルポト政権は、

医者、教師、学生などの知識人を筆頭に大勢の人間に無実の罪を着せて収容所に送り、その後殺害していったのです。

その数は想像を絶するもので、たったの4年間で当時の総人口800万人のうち200万〜300万人の人が虐殺されました。

その虐殺に使われたのが、以下で紹介する場所になります。

トゥールスレン刑務所

もともと高校だったこの場所は、カンボジアの暗黒の4年間のうち、2年9ヶ月ほど収容所として利用されていました。

別名、「S21(政治犯収容所の暗号名)」とも呼ばれています。

今は博物館として一般の人々に公開されています。

なんの罪もないカンボジアの人々はこの場所に集められ、無実の罪を自白するまで拷問され、殺されました。

博物館の中には、当時殺された一部の人々の顔写真が壁に貼られています。

トゥールスレン刑務所の写真

出典:http://www.photographingtheworld.net

ポルポトが目指していた「原始共産主義社会」を創る上で障害になるとされていた日本の中学生ほどの年齢以上の人々が主な虐殺の対象となっていたようですが、実際には子ども達も数多く殺されていたことが分かります。

トゥールスレン

出典:http://www.anthropologiesproject.org/

拷問に使われた部屋も展示されています。下の写真にあるベットには鎖がついていて、足が固定できるようになっています。当時の様子を写した写真も部屋の中に張り出されています。

トゥールスレンのベッド

出典:https://commons.wikimedia.org

トゥールスレンの写真

出典:http://historiesofthingstocome.blogspot.com

部屋の壁や床をよく見ると、当時の人々が流したであろう血がこびり付いています。

トゥールスレン

出典:https://sonyaandtravis.com

当時、拷問に使われていた器具も展示されています。

トゥールスレン 器具

出典:https://fr.wikipedia.org

当時この場所に連行された人々は無実の罪を自白するまで、これらの器具を使って拷問され殺されました。当時の様子を描いた写真が博物館の中にいくつか展示されています。

トゥールスレン

出典:https://steemit.com

トゥールスレン

出典:https://livingnomads.com

亡くなった人々の骸骨が、博物館の最後のコーナーに大量に展示されています。

トゥールスレン刑務所

出典:https://ourfareastfandango.wordpress.com/

この施設には約14,000人〜20,000人の人が収容されてたと言われています。その中で生きてこの収容所から解放されたのはたったの8人でした。

首都プノンペンが陥落し、ポルポト政権の地獄の4年間が終わった時、カンボジアの国民の85%が14歳以下の子どもだったそうです。

公益財団法人の国際労働財団によると、2015年のカンボジアの平均年齢は22.6歳というデータがあります。

カンボジアはまだまだ、ポルポト政権時代の暗い歴史を抱えています。

私がプノンペンを訪れた時、シクロのおじさんがしつこく声をかけてきましたが、きっとあのおじさんも辛い過去を抱えながら懸命に生きているんだろうと思います。

歴史を知ることで、そこに住む人たちに少しでも理解のある、適切な対応をとることができるようになるのかなと思いました。

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